気をつけたい!ねこ背のデメリットと、ねこ背になりやすい生活習慣

長時間スマホやパソコン作業をしていて、画面に映る自分を見たら、気が付いたら「猫背」になっていたと自分で気づく、もしくは友達に指摘されたということはありませんか?
背骨が曲がった姿勢、いわゆる「猫背」は楽な姿勢のように見えて、見た目だけでなく、様々な問題が起こる原因にもなります。

目次

ネコ背のデメリット


身体内部の問題

頭痛

背骨は自律神経などの通り道です。背中が丸いと神経が圧迫され、様々な体調不良を招く。片頭痛や内臓機能の低下などにつながる恐れがあります。

首・肩こり

頭が前に突き出すと、背中や肩の周辺にある僧帽筋が頭を支えようと緊張し固くなります。頭部は全体重の約10%を占めるといわれ、それを支える僧帽筋には相当な負荷がかかります。そのため、首・肩こりが生じやすい

目の疲れ

猫背などの悪い姿勢で固まったままディスプレーを見続けていると、頭頸部への血流が悪化し目が疲れやすくなります。

呼吸が浅くなる

肩が前に来て胸が閉じた状態になるため、胸郭の働きが鈍くなって呼吸が浅くなり、代謝機能が落ちてくる。

集中力の低下

酸素の摂取量が減れば脳などの活動に悪影響を及ぼす。運動能力が低下するほか、勉強していても集中力が高まりにくいなどの問題が起きる。

腰痛

猫背が強くなりますと、背骨がバランスをとるために湾曲が強くなります。湾曲が強くなると、腰部の筋肉や靭帯へのストレスが強くなって、腰痛の原因になります。

便秘

猫背の姿勢を続けていると、骨盤が歪んだり開いたりして、内臓が本来の位置より下がってしまう原因になります。内臓が本来の位置に収まっていないと、段々腸のスペースが狭くなってくるので、腸はずっと上から押し込まれている状態になってしまいます。猫背の姿勢の状態は、当然腸の蠕動運動に影響を与えてしまい、動きが鈍くなって便を排出しにくくなるのです。

関節の痛み(膝)

猫背のときは、骨盤が後ろへ倒れる姿勢となるため、それに伴って膝も曲がります。猫背の姿勢で膝が曲がった状態で立ち続けたり、歩き続けることで常に膝に負担がかかることとなり、次第に膝痛へと発展することが考えられます。

見た目の問題

太りやすくなる

猫背の姿勢が続くことで、呼吸が浅くなり、血行が悪くなり、代謝が低下します。老廃物が体内に溜まることで太りやすい体質になってしまうのです。

むくみやすい

猫背の姿勢が続くことで、筋肉が硬くなり、血行やリンパの流れが悪くなります。それによって水分の流れも滞って、顔や足などがむくみやすくなります。

お腹が出てくる

猫背の姿勢が続くことで、腹部の筋肉が衰えて、内臓が徐々に下に落ち込んでしまいます。すると下っ腹がぽっこり出てきてしまいます。

どうして猫背になるのか?

座位を維持することに必要な筋肉

座位姿勢を維持するためには、脊柱起立筋群の働きだけでなく、腹直筋群の緊張を保つこと、腸腰筋、ハムストリングスなどの下肢の筋の働きが必要になります。

姿勢を維持する筋肉の働きが弱いと

これらの抗重力筋で姿勢を保持する活動が十分にできない場合は、上記の抗重力筋をなるべく働かせないように重心線を背側ではなく、足部の方向である支持基底面の中央に近づけようとします。そのため、胸椎を後弯させ、頭部を前方に突き出して顎を前に出した姿勢をとります。胸椎が後弯した姿勢をねこ背(円背)といいます。

加齢による筋肉と骨の衰え

骨粗鬆症になりやすい

人は高齢になると、骨の中に含まれるミネラルやカルシウムが減り、骨の中がスカスカになる骨粗鬆症の状態になりやすくなります。特に女性は45〜55歳で閉経を迎えることで女性ホルモンが減少するために骨粗鬆症となりやすいです。男性も60歳以降から骨粗鬆症になりやすくなります。
骨粗鬆症の状態は、脊柱が押しつぶされるような圧迫骨折が生じやすかったり、椎間板が変形しやすいために円背の姿勢になりやすくなります。

筋力の低下

姿勢を支える筋肉は運動不足の状態では30歳以降、年に0.5〜1.0%の割合で減り続けます。特に下肢の筋肉は体重を支えるために大きく丈夫に作られています。大きな筋肉は、大きな力の刺激が必要であるため下肢の筋肉は加齢により衰えやすいです。下肢の筋肉が衰えることで、体重を支えることが困難となり、それを補うために股関節膝関節を屈曲させて、重心を下げた状態を維持しようとします。そのバランスをとるために上部の脊柱を後弯させた円背姿勢となりやすくなります

猫背になる生活習慣

私達の姿勢は過去の運動経験やケガ、生活習慣の癖などが影響して、知らない間にねこ背の姿勢をとっていることがあります。ここでは、普段の生活の中で無意識に行っている姿勢の悪い習慣についてみていきます。

ついしがちな生活の中でのネコ背の習慣

①鏡を覗き込んで化粧をする

鏡が自分の顔より下の位置にあると、鏡を覗き込むために、胸椎が後弯し、顎を鏡に突き出した鏡を覗き込んだときにねこ背の姿勢となっています

②顎を突き出すように頬杖して座る

頭部の重さを手にのせて支えるため、脊柱起立筋群や僧帽筋上部繊維の負担は軽減していますが、ねこ背になっています。

③顎を突き出してスマホ操作をする

④顎を突き出してパソコン作業を長時間続ける

⑤食事の時に茶碗を持たずに顔を食器に近づけながら食べる

⑥ねこ背の状態で歯を磨く

⑦ねこ背の姿勢で前かがみで料理をする

⑧サドルが低すぎる自転車に乗っている

⑨車のシートの背もたれに完全に体重を預けて、顎を突き出してハンドルを操作する

⑩電車のシートに浅座りで背もたれに持たれながら座る

まとめ

円背姿勢には様々なデメリットがあります。また、円背姿勢は年齢を重ねることや、普段の何気ない日常生活の動作により引き起こされます。毎日の生活で注意しながら正しい姿勢を心がける必要があります。

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